物部の大抜茶

先日、香美市土佐山田にあるスーパー「バリューノア」へ行くと、新しいお茶の試飲会をしていました。
そのお茶の名は『大抜茶(おおぬきちゃ)』。玉緑茶です。

江戸時代後期から明治時代にかけて、山深い物部地域で作られてきたお茶で、土佐藩主へ献上されていたり、中四国や九州にも出荷されるほど栄えていたとか。
「この度復活した」というので、大抜茶としての出荷はしばらく途絶えていたようです。

高知に住む私の感覚では、
高知のお茶といえば仁淀川町、津野町、四万十町あたりが有名で、
「物部=お茶」のイメージは正直ありませんでした。

ちょうど茶葉のストックはたくさんあったので、
試飲だけのつもりで飲んだのですが、
まぁ、これが、うまい!!!

地域に10軒ほどの茶農家さんがおり、
茶葉が混在しないようそれぞれにパッケージされているのですが、
その一つ一つに個性があるんです。
香りがシャープで後味スッキリの茶もあれば、しっかりとした旨みがあって苦味がキリッと残るものも……
そんな個性こそ違えども、上品さは共通したものがあり
それぞれの茶農家が“大抜茶としての誇り”を体現しているように感じました。

これはすごい!これは家でも飲みたい!と思い、一つ買うことに。
でもどれも美味しいから悩ましい……

で、最終的に私が買ったのは、最高齢茶農家・山本さんの茶葉です。
茶葉そのものからは、フルーツかと思うほど甘くみずみずしい香りが漂います。

淹れてみると、特定の香りや味が主張するわけではなく
旨み・甘み・苦み、そして爽やかな香りが
手をつないでワルツを踊っているかのような味わいが楽しめます。
単に一つにまとまっているのではなく、
輪になりながらもそれぞれがいきいきと躍動しているんです。
作り手の山本さんにお会いしたことはありませんが、
きっと人格も技術も円熟された方なのだろうと想像に難しくありません。

……と、すっかり語ってしまいましたが、
語りたくなるほどに美味しいお茶だということです。
次はまた別の生産者さんの茶葉を買うのが楽しみでもあります。
大抜茶はバリューノアの直売所コーナー「かかし市」で
販売しているので、ぜひ一度ご賞味ください。